2012年1月25日

使う

 ボクは中学を卒業すると単身、京都に留学してる。アパートに一人住まいだ。
 これには高校の先生も心配してくれた。「おい、池田、オマエ、食事
どうするんな(どうするのか)」。「留学先で毎日忙しいから大丈夫です」、
確かそんな返事をした。

 アパートに一人住まいは確かだが、寝る時間、そこにいるだけだから。
テレビも暖房も冷房もない、窓もない部屋だった。

 母親から「えーえ、これから毎月6万円、送るから。ここからアパート代
の1万円を支払って、残りでうまく生活していくんよ」と言われた。
 当初は恐る恐るだ。毎月、2万円近くのお金が残った。食事、学校の学食、
洋服、ほかの生活費もこの5万円から払っていく。当初だけね。

 2年生も半ばになると、送金の日を指折り数えるようになる。
 「あと一週間もあるのにお金が3000円」みたいなことが頻繁に起こる。
 送金は大家さんのところになされるのだが、初めは「池田さん、届きましたよ」
と言われ、受け取っていた。2年も半ばになると「よし、明日だ」、気合を
入れて大家さんのピンポンを押す。

 あれは2年だったか、日曜日の夕刻、近鉄伏見駅の近くにあるスーパー
を利用していた。喫茶部(喫茶店ほど独立してない)みたいなところがあり、
一番高いブルーマウンテンを呑むことにした。金額は確か300円だったか、
ミルクも砂糖も入れず、ガバッと呑んで「まずいもんだなー」実感。
 ただ、しばらくしてコーヒーのおいしさを知る。 

 ボクはほかの高校生からは大変うらやましがられていた。
 「一人で住む」「お金は自分の裁量で使え」「夜中、外出してもとめる
家族もいない」。ま、それははた目からの観察だ。

 留学しているわけで、アパートには毎晩10時半くらいの帰宅だった。
 たまに夜中に近くのファミレスに行ったりはしたが。
 あまりにも忙しく冬場は銭湯を一日おきの利用にした。

 親に「お金がなくなった。送ってくれ」みたいなことは、とうとう一度も
発生しなかった。案外、うまくやれるもんだ。
 ただ3年になると送金の日を控えてお昼抜き、みたいなことはあった。
 「お金はある限りの中でやり繰りする」を徹底させたってところかな。
 お金はもらう工夫も大事だが、ある中でやり繰りするのも大事だよね。

trackbacks

trackbackURL:

comments

comment form

(助っ人・池田の気ままにコラム にはじめてコメントされる場合、不適切なコメントを防止するため、掲載前に管理者が内容を確認しています。適切なコメントと判断した場合コメントは直ちに表示されますので、再度コメントを投稿する必要はありません。)

comment form