2012年1月 6日

上達

 留学先の先生からある日、こんなことを聞かされた。
 「池田君はY県やったな、うちはY県から出場したらみんな全国大会に
行けるで」と。京都に留学していたが、続けて「京都は全国大会と一緒やで、
予選を勝ち抜くだけでごっつー(すさまじく)大変なんやで」。

 そのころ全国大会は実にすさまじい展開だった。1050点満点で、毎回
満点が8人くらいでる。そこで大人になってから、このことを改めて調べて
みることにした。すると、Y県は驚くべきことになっていた。

 ここ何年か優勝する人と、準優勝する人(県の予選)が決まっていた。
 点数は760点ぐらいで優勝する。

 切磋琢磨するとき、なんでもピラミッドを形成するのはよく知られていると思う。
 京都では予選がすなわち全国大会の決勝の場になっていた。それらの方
はもちろん10段位で、少し下の力の人がある程度いて、また少し下になると
ますます多くなっていく。次世代もしっかりと用意されているわけだ。
 「人材の厚みがある」というわけだ。

 要するに「ここ何年かだれが優勝するか決まっている」というのは、すさまじく
低迷してるということになる。京都からよく地方の大会に出かけたが、地元
の選手たちは「京都から来る」と分かると「あーあ、今年は負けが決まった」
みたいなあきらめの空気が広がる。
 来なければ自分たちが優勝するのだが、それってまさに井の中のかわずだろう。

 どうだろう。
 その地元の選手たちも「わたしたちも練習にまぜてください」とお願いすれば
意識も代わるし、実力も上がる。意外にそんなものだ。

 目の前でマジックみたいなことをやられれば「こんなことが人間にできる
んだ」とはっきり理解できる。書物にある「人間にはね、無限の可能性が
あるのよ」では人は信じない。目の前で見せていただけるから体感できるわけだ。

 一流の中に入ってやってみることが一流に達する一番の近道だ。
 よく「つぶれる」とか聞かされる。そこは賭けだけとは思うが。
 上達するのは練習をたくさんやったからではない。「人間は上達できるんだ」と
実地に納得することで上達していくわけだ。

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