2011年10月26日

丁稚

 このごろでっちという言葉を聞かなくなった。一緒で奉公も聞かなくなったな。
 ただ、この言葉が生きてる分野はもちろんある。自営業の世界だ。

 ボクは高校生のころから働いていてお給料もいただいていた。ただ、
月に1万円とか2万円とかね。

 だけど、ボクは内心、とても不満だった。
 「自分はここで知識や経験を吸収してる。そのためにやってるんだから」が
あったんだ。ま、それはあったが、そんなことが言えるはずもなく。

 そのころの1万円、2万円もそんなに使いでがあったわけではない。
 うん、ボクはそのころ一人でアパート暮らししていたが、家賃は1万円だった。
 だとしたら、まーまーな額か。

 要するに、自分が日ごろやっていることの評価が金額で示されることに
なんとなく抵抗を感じていたわけだ。

 「高校生くらいでそんなことを思うものだろうか」って思うかもしれないが、
いや、その状況に置かれたら思うもんだよ。京都に留学していたのだが、
そんな環境あってのことかもしれないけど。

 ボクは京都に行く前、父親から「昔はでっちという制度があってな、その
期間はお給料なんかもらえないんやぞ」と聞かされていた。だから自分の
覚悟としてもそんなものは必要ないと思っていた。

 なにより、毎日の努力が金銭に換算されることが気に食わなかった。
 自営業の世界も似たようなもんだ。

 仕事をしたからといって必ずお金になるとは限らないし、もらえるとも
限らない。まず自営業に就いてからしばらくは「お金はいいですから、
自分の仕事っぷりを見てください」期間みたいなものなんだ。

 誠意を観察してもらう期間なんだよ。
 自営業というのはそういう仕事なんだ。そんな気分で臨む必要がある。

 「働いた分だけお金が欲しい」はサラリーマンの考えることだ。自営業は
決してそんなふうには考えない。「しっかりした仕事しますから、それを
よく見てください」が基本的な立場だ。

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