2010年3月12日

受け入れる

 あなたは現状をそのまま受け入れているだろうか。
 ボクの知り合いにこんな人がいる。「それ、おかしいと思うんですよね」。
 どうやら彼なりに正しさの価値観みたいなものがあり、それと違って
いるとつい口にしてしまうようだ。よくあるよね。

 「学校の教育現場はこれではいけない」とか「お客さんに対して
このような対応の仕方が当然だ」などとする意見が。
 それは確かにそうだが、そこからよく考えてほしいことがある。
 物事にはほとんど全てに背景があるということを。
 ボクはいつもこのように応えている。「正しいのはどっちかは
わたしにも分かります。だけれども、現状はこうなっているんです。まず
それをそのまま受け入れる必要があるんじゃないですか」と。

 昔、ばあさんが生きていたころ。さまざまな問題に振り回されていた。
 まず病院からは「おばあさんが病室で線香をたくのをやめさせてください」
 「おばあさんが病室からたくさんの人に電話して、それでお見舞いの
方がたくさん来られるんです、なんとかなりませんか」。

 ばあさんからは「これを病院の先生に届けてくれ」、見れば栄養剤が
ぎっしり。病院の先生に届けると「受けとれません」だ。当然だ。
 ばあさんにそれを言うと「いいや、受け取るはずや」の一点張り。

 看護士さんにも届けるよう、うるさい。ナースセンターに持参する。
 もちろん断られる。ばあさんに告げる。「受け取るはず、もう一回、
行ってこい」だ。

 こんなとき、あなたならどうするだろう。ボクもいろいろ考えてみた。
 「ウソも方便」で先生に届けたと口にするのもいいだろう。まずは
それを認めて受け入れることが先決だろうと思う。ばあさんに倫理観
を押し付けてもどうにもならないことをまずは知るべきだ。

 いや、ボクは今、ばあさんに鍛えられたと思ってる。いろんな問題
が提起され、「あんたはどうするんや」と問われた気さえしている。
 うちの家族はばあさんが問題を起こすたびに結束を高めた気がする。
 意外な副産物だけど。この世の中は思ったように真っすぐにはいかない
ものだ。正しい、正しくない、と選べば答えは明らかだろう。だけれども
そのようにうまくいかないこともある。まずはそのまま受け入れるべき
ではないだろうか。倫理観はその後だ。

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